2026/02/26 コラム
全熱換気とは?熱の性質を利用した空気循環の仕組みと効果を解説
毎日の換気は大切ですが、窓を開けるとせっかく快適に保った室温が逃げてしまうのではないか、そんな風に感じたことはありませんか。 特に夏や冬の厳しい季節には、換気による温度変化が気になるものです。 しかし、こうした換気の課題を解決し、室内環境の質を高めながら省エネルギーにも貢献する技術があります。 それは、空気の熱を上手に利用する仕組みです。
全熱換気とは
熱の性質を利用した空気循環
全熱換気システムは、熱が自然と高温の場所から低温の場所へ移動するという物理的な性質を利用しています。 例えば冬場、室内の暖かい空気を外へ排出する際、その熱を回収します。 同時に、外から新鮮な空気を取り入れますが、このとき回収した室内の熱を、取り込む冷たい外気に移すことで、給気される空気を室温に近い状態に温めるのです。 夏場はこの逆で、室内の冷気を排気する際に、外からの熱い空気に冷気を移すことで、給気される空気を涼しくします。換気による温度変化を抑える仕組み
全熱換気システムの中核をなすのは「熱交換器エレメント」と呼ばれる部品です。 このエレメントを介して、室内の排気される空気と、外から取り込まれる新鮮な空気が交差します。 この過程で、排気される空気の持つ熱エネルギー(冬場)や冷気(夏場)が、給気される新鮮な空気に伝えられます。 これにより、換気を行いながらも、室内の温度が急激に変化することを抑え、快適な室内温度を維持しやすくなります。 一般的な換気扇では、温められた空気をそのまま排出してしまうため、室温の低下や上昇を招きがちですが、全熱換気ではこの熱の移動を最小限に抑えることが可能です。
全熱換気で得られる効果
省エネ効果で空調負荷を軽減
全熱換気システムを導入することで、換気による室温の急激な変化が抑制されるため、エアコンなどの空調機器が室温を一定に保つために必要とするエネルギーを大幅に削減できます。 例えば、冬場に暖かい空気を排気する際に熱を回収し、給気する冷たい空気を予熱することで、エアコンの暖房負荷が軽減されます。 夏場も同様に、冷たい空気を排気する際に冷気を回収し、給気する熱い空気を予冷することで、冷房負荷を軽減します。 このように、換気と空調をトータルで考えた際の省エネルギー効果は非常に高く、電気代の削減にもつながります。快適な室内環境を維持
全熱換気は、単に温度変化を抑えるだけでなく、快適な室内環境の維持にも貢献します。 熱交換により給気される空気の温度が室温に近くなるため、給気口付近の温度ムラが少なくなり、一年を通して快適な空間を保ちやすくなります。 また、一部のシステムでは、室内の気圧を調整して花粉やPM2.5などの外部からの汚染物質の侵入を抑制する機能や、湿度センサーで室内の湿度を検知し、過乾燥や結露を防ぐように風量を自動調整する機能も備わっています。 これにより、常にクリーンで快適な空気質を維持することが可能になります。



